もうだいぶ昔ですが、私が大阪の製薬会社にお勤めしていたとき、
やめる直前にいたのは「お客さま相談室」でした。
毎日何百件かお客さまから「お申し出」の電話がかかってきていました。
※お客さま相談室では、「クレーム」という表現はお客さまに不快感を与えることが多いので、
「お申し出」という表現を使うように心がけています。
お申し出の内容は千差万別。
使い方が分からないといったものから、トイレ洗浄剤が詰まった!とか
いろんなお申し出がありました。
あ、もちろん、使ってよかった!なんていう感謝の電話もありましたよ。
不快な思いをさせてしまった方に対しては、
相談員の方が、代替品とともにお詫びのお手紙などを添えて返送していたものです。
と、ちょっと昔の話になりましたが・・・
私、食べるのが好きなので、ネットショップを利用していろいろなものをお取り寄せします。
ワインはもちろん、果物、海産物、調味料等々。
先日もメルマガで見たあるものがおいしそうだったので、さっそく購入。
常温保存のものだったので、商品はメール便で届くということでした。
発送完了メールから数日。商品が届きました。
開けてみて、「あれ?ひとつ入ってない・・・」ことに気づきました。
で、購入先へメール。
お詫びのメールとともに、未着の商品を手配したとの内容の返信がありました。
で、待つこと数日。メール便で未着の商品が届きました。
封筒には未着の商品だけが入っていました。
で、なんとなく違和感を感じたんです。
そう。商品だけでお手紙もなにも入ってなかったんです。
ネットショップだから、メールを受けた人と商品を発送した人は違うのかもしれません。
もし私がそのショップの責任者だったら、
小さな一筆箋でもいいから、なにかお詫びの言葉を添えて、
「宅急便」で未着の商品を送ります。
送料はかかるけど、宅急便の方が早くお客さまの手元に届きますから。
ネットショップというのはとても機械的なやりとりをすることが多いですが、
人と人とのふれあいが大切なような気がします。
その人の商品に対する思い入れであったり、
そういうものが商品と一緒に届くだけでお客さま満足度は上がり、
リピート購入につながるのではないでしょうか。
たぶん、私は先述のショップではもう買い物はしないと思います。
だって、同じようなものならどこでも買えるから。
そんな些細なことでと思われるかもしれませんが、
お客さまってわがままなんです。
商品はいいものを作るだけではダメ。
売れ続けるショップになる為に「人間味」って大切なのです。
いつも商品開発のコンサルをさせていただくときは、
そんなお話しもしている私なのでした。
森好子